矯正歯科治療は治療期間が長いため、日常生活に影響します。
気を付けることはある?やってはいけないことはある?
など、矯正治療中でもできるだけ快適にお過ごしいただくためのポイントをご紹介します。
ブラッシングについて
取り外し可能な装置の場合は問題ありませんが、歯の表面に装着するブラケットタイプの矯正装置の場合は、通常よりも丁寧にブラッシングする必要があります。
汚れがたまってしまうと虫歯や歯周病などのお口のトラブルにかかるリスクが高まってしまうので、専用のブラッシンググッズを活用したり磨き方を工夫したりして、しっかり汚れを落としましょう。
\ 矯正歯科治療中のブラッシングのコツ /
POINT 1 磨く順番を決める
ランダムに磨くとどうしても磨き残しを起こしがちです。「上の前歯から時計回りに」などと順番を決めましょう。
POINT 2 磨く部分を分ける
ブラケットを境に4つの部位に分けて磨き残さないようにしましょう。ブラケットの歯肉側・ブラケットの正面・ブラケットの歯肉とは反対側・歯と歯肉の境目の4つです。
POINT 3 鏡を見ながら磨く
鏡を見て歯ブラシが当たっているのを確認しながら磨きましょう。磨き終わったらうがいをしてから指で歯の表面を触って滑らかできれいな感触があるのを確認しましょう。
POINT4 唇と頬をストレッチしましょう
矯正治療中は筋肉も緊張します。口まわりの筋肉の動きをよくするため唇や頬のストレッチを行いましょう。筋肉を伸ばすとブラッシングもしやすくなります。
食事について
矯正装置を装着しているときの食べ物にはいくつか注意点があります。なるべく控えるべき食べ物があったり、食べ方に工夫が必要だったり、食べたあとにしっかりケアしなければいけません。
✔ 硬い食べ物(ピーナツ、せんべい、氷など)
硬い物はあまりおすすめできません。思い切り咬むと矯正装置が外れたり壊れたりすることがあります。
✔ 色の濃い飲食物(カレー、キムチなど)
プラスチック製のブラケットは色の濃い食べ物や飲み物により着色することがあります。
✔ 粘り気のある食品(お餅、ガム、キャラメル、アメなど)
粘り気がある食べ物は矯正装置にくっつきやすく、外れたり壊れたりの原因になります。どうしても食べたいときは小さく切って歯につかないように工夫しましょう。
✔ 歯につまりやすい食べ物(ポテトチップ、ビスケットなど)
歯にはさまりやすい物を食べたあとは、そのまま放置せず、すぐにブラッシングして汚れを落としましょう。
仕事への影響について
お口の中に矯正装置をつけるので慣れるまで約1ヶ月かかるといわれています。慣れてしまえば問題はありませんが、それまではライフスタイルに少し影響があるかもしれません。
■ 見た目
見た目が気になる職業の方はできるだけ目立たない矯正装置をおすすめします。
■ 発音
慣れるまでは発音しづらく話しづらいことがあります。接客業など、人と話すお仕事の方は初めは気になるかもしれません。
■ 痛み
多少の痛みや違和感は避けられませんが、痛みが強い場合は、痛み止めなどで対応できますのでご相談ください。
自ら積極的に治療に取り組んで!
他にも、運動をする際、特に球技(サッカー、ラグビーなど)や格闘技(ボクシング、柔道、レスリングなど)のように顔面に強い衝撃を受ける可能性のある種類のスポーツは注意が必要です。
矯正装置が壊れたり、外れたりするだけではなく、装置で唇や口の中を切ってしまう事故につながる危険性があります。十分に気を付けて、歯をガードするマウスガード(スポーツ時の衝撃から口、歯を守る装置)を活用するなどしてみてください。
矯正治療を成功に導くためには、すべてを歯科医任せにするのではなく、患者さんも積極的に治療に取り組んでいく必要があることを覚えておいてください。