親知らずとは、大臼歯(大人の奥歯)の中で最も後ろに位置する歯であり、第三大臼歯が正式な名称で、智歯(ちし)とも呼ばれています。前歯から数えて8番目にあり、永久歯(大人の歯)の中で最後に発育する歯です。
痛みなどの自覚症状の有無に関わらず、
「本当に抜かないとダメ?」
「そのままにしていたらどうなるの?」
「痛みが出たら抜けば良い?」
など、疑問を持っている人は多いのではないでしょうか?
親知らずは、歯茎が腫れたり、周囲の歯が虫歯や歯周病になる、歯並びが悪くなるなどのトラブルを引き起こします。
そして、親知らずをそのまま残しておくことによって、本来一生残したい隣の奥歯(前歯から数えて7番目の大臼歯)まで虫歯になってしまうことがあります。
抜いた方が良い親知らず
親知らずは必ず抜かなくてはいけない、というものではありません。
しかし、まっすぐに生えておらず「きちんと噛むことができない」「歯磨きが十分にできない」場合や、痛みなどがある場合には抜いた方が良いこともあります。親知らずが痛む原因はいくつか挙げられます。
1つ目は親知らずが虫歯になっていることです。歯の一番奥にあるので、なかなか日常生活での歯磨きでも汚れを落としにくいところです。
次に、歯茎から中途半端に顔を出している場合、周りの歯肉を刺激し続け歯肉が痛んだり、腫れたりします。他にも親知らずがまっすぐに生えず、横向きや斜めに生えてくる場合もありますが、ひとつ前の歯を後方から押すために、前歯の歯並びを乱して前歯にも痛みが出てしまうことがあります。
親知らずを抜くのは痛い?
「親知らずの抜歯は痛い」というイメージが根強くあるようですが、実際は抜歯の際には麻酔が効いていますので痛みを感じることはほとんどありません。
痛みを感じるというのは通常、麻酔が切れてからのことです。傷口ですから痛むのは仕方のないことなのですが、痛みを感じる前に痛みを止めを飲むなどすることで、術後の痛みも極力抑えることが可能です。
また、抜歯に要する時間と抜歯後の痛みの強さは比例するといわれています。つまり、骨に大きく埋まっていたりなどの難しいケースほど術後の痛みが強く出る傾向があります。
抜かなくても良い場合もある!
多くの場合抜歯の対象となっている親知らずですが、正しい向きできちんと生えてくることもあり、他の周囲の健康な歯に悪影響を及ぼす心配もなく、通常の奥歯として使える場合には、抜歯の必要はありません。親知らずは保存不可の歯の代わりに移植歯として使えることがあるので残した方がいい場合もあります。
ご自身で判断することは難しいので、まずは相談してください。